社会保険労務士事務所

エムピーティスコルタオフィス

MPT Scorta Office

コラム

column

2025.11.10

「上司との1on1」実態調査から見える課題

株式会社Kakedasが会社員を対象に実施した「上司との1on1」に関する

実態調査(回答者400名)の結果が公表されました。

この調査から、1on1の意義と課題の両面が浮き彫りになっています。

■1on1ミーティングとは?

1on1とは、直属の上司と部下が定期的に行う「部下の成長促進」を目的としたミーティングの

ことです。


進捗確認や評価面談とは異なり、部下が自分の経験を振り返り、強みや課題に気づく時間として

位置づけられています。

この面談を通して、

✅メンタル面のケアや自己理解の促進

✅上司・部下間の信頼関係の構築

✅退職防止(早期対応)


といった結果が期待されています

■「モチベーションが下がった」経験も半数近く

しかし調査では、「上司との1on1によって仕事へのモチベーションが落ちた経験がありますか?」と

いう質問に対し、次のような結果が出ています。

・何度もある:33.7%

・1回はある:20.5%

・ない   :45.8%

実に半数以上の人が1on1でモチベーション低下を経験しているという結果です。

■モチベーションが下がった理由(抜粋)

回答の自由記述では、以下のような声が寄せられています。

<上司の発言・態度>

  1. 嫌味を言われた
  2. 否定やダメ出しばかりされた
  3. 上司ばかり話していた
  4. 悩み相談のつもりが上司の武勇伝を聞かされた

<業務理解・内容>

  1. 業務の進捗に対する認識のズレ
  2. 上司が業務内容を理解していなかった
  3. 形だけで改善が見られない

<評価・待遇>

  1. 努力が正当に評価されなかった
  2. 達成困難な課題を一方的に求められた

<コミュニケーション>

  1. 上司の傾聴力が低く、議論がかみ合わない
  2. 意図をくみ取ってもらえない
  3. 話をさえぎられ、意見を押し付けられた

本来は成長支援を目的とした1on1が、逆に部下のモチベーションを下げてしまう。
その原因の多くは、上司側の姿勢やスキル不足にあるようです。

面談を効果的に機能させるには、上司自身の「傾聴力」や「伝え方」、そして「部下理解」が

欠かせません。

■1on1だけが答えではない

1on1ミーティングは有効な手段の一つですが、実施する上司のスキルが伴わなければ

逆効果になりかねません。


一方で、事実に基づいた評価面談の質を高めることでも、部下のモチベーション向上は

十分に可能です。

日常的なコミュニケーションや評価制度の見直しを通じて、
「安心して話せる・認められる」職場づくりを進めていくことが大切です。

(参考)株式会社ジェイック 会社員400名に「上司との1on1」について調査