社会保険労務士事務所

エムピーティスコルタオフィス

MPT Scorta Office

コラム

column

2025.06.14

Q:夜間作業でも、熱中症対策の義務は必要ですか?

社は地下街の運営管理を行っており、修繕工事は主に夜間に行っています。


現在まで熱中症の発症事例はなく、厚労省の通知に記載されたような

「暑熱な場所での長時間作業」にもあまり該当しない状況です。

また、実際の工事はほとんど専門業者に委託しており、

当社社員が現場に常時いることも少ないです。

このような場合でも、たとえばWBGT(暑さ指数)計を持たせたり

予防パンフレットを配布するなど、

通知に直接は書かれていないけれど“何かしらの対策”を取っておかないと

法令違反になってしまうのでしょうか?

さらに、当社は小規模事業所のため産業医は設置しておらず、

通知に記載のある「医療機関との連絡体制」や「対応計画」への

事前記載が難しいのですが、この点も問題になるのでしょうか?

A:御社の現状であれば、法的義務の対象ではない可能性が高いですが、

 基本的な備えは推奨されます。

とはいえ、以下のような自主的な対応は「適切な予防措置」として評価されます:

  • WBGT計の携行や設置
  • パンフレット配布などの教育的取り組み
  • 熱中症対策品(飲料・塩分補給)などの準備

これらを行っていれば、法令違反と指摘されるリスクは極めて低いといえるでしょう。

🔹医療機関との連携や対応計画について

通知にある「医療機関の事前連携」などは、常時リスクが高い作業を

行う中堅以上の企業を主な想定としています。

御社のような小規模事業者では、

  • 救急対応可能な病院の連絡先を社内で共有
  • 緊急時の通報ルートや責任者の整理

といった**“実際に動ける”対応体制を作っておけば十分です**。

✅ まとめ

御社の対応状況は、通知の趣旨を踏まえた誠実なものといえます。


今後も「異常気象」「気温上昇の傾向」を踏まえ、

最低限の備えと社員への声かけを続けていくことが、

コンプライアンス+安心づくりの両面において大切です。